ファインピッチ部品の印刷不良は、一つのパラメータだけで起きることはまれです。開口幅はパッドで決まり、メタルマスク厚は数段階しか選べず、粉末タイプは最小開口に合わせる必要があります。それぞれ単独では問題なくても、組み合わせると印刷できないことがあります。
本記事は三者の組み合わせだけを扱います。面積比の定義と 0.66 の由来は SMT メタルマスク開口の面積比、小開口が充填不足になる理由は 小開口印刷の限界 を参照してください。
各変数を決めるもの
| 変数 | 決める要因 | 範囲 |
|---|---|---|
| 開口幅 | パッド寸法、ピッチ、ソルダーレジスト開口 | パッド以下、通常はやや小さく |
| メタルマスク厚 | 最小ピッチと最大はんだ量 | 0.08 / 0.10 / 0.12 / 0.15 / 0.20 mm の 5 段階 |
| 粉末タイプ | 最小開口幅 | J-STD-005 の分類、ペーストのデータシートで確認 |
順序が重要です。パッドが開口を決め、開口と厚みで面積比が決まり、最小開口が粉末タイプを決めます。先に粉末タイプを選んで開口を合わせる方法は、通常うまくいきません。
開口幅:パッドとピッチから始める
SKPCB の SMT メタルマスク製造 の参考表は、ファインピッチの出発点として次の値を示しています。
| 部品 | ピッチ | パッド | 開口 | 厚み | 面積比 |
|---|---|---|---|---|---|
| QFP | 0.50 mm | 0.25 mm | 0.22–0.24 mm | 0.12–0.14 mm | 0.66–0.83 |
| QFP | 0.40 mm | 0.20 mm | 0.19–0.20 mm | 0.10–0.12 mm | 0.68–0.85 |
| QFP | 0.30 mm | 0.18 mm | 0.15 mm | 0.07–0.09 mm | 0.72–0.93 |
| BGA | 0.50 mm | ⌀0.28 mm | ⌀0.26 mm | 0.08–0.09 mm | 0.72–0.81 |
ピッチが一段狭くなるごとに開口はパッドとともに狭くなり、使える厚みも下がります。これは設計の出発点であり、最終的な開口は技術審査後のマスクデータに従います。
メタルマスク厚:選べるのは 5 段階
厚みは連続的に選べません。表の 0.07–0.09 mm や 0.08–0.09 mm といった範囲は、実際には標準の 0.08 mm 一段に収まります。
丸開口の面積比は、面積比 = 開口径 ÷(4 × 厚み)で計算できます。0.50 mm ピッチ BGA の ⌀0.26 mm 開口の例です。
| 厚み | 面積比 | 0.66 との比較 |
|---|---|---|
| 0.08 mm | 0.26 ÷ 0.32 = 0.81 | 上回る |
| 0.10 mm | 0.26 ÷ 0.40 = 0.65 | 下回る |
同じ基板にはんだ量の多いコネクタがあり、全面を 0.10 mm にすると、0.50 mm BGA は目安を下回ります。この場合は全面 0.08 mm にするか、段付きメタルマスク で領域ごとに厚みを変えます。
粉末タイプ:最小開口から逆算する
開口が狭いほど幅方向に並ぶ粒子が少なくなり、充填が不安定になります。IPC-7525 は、最小開口幅に最大粒子がいくつ並ぶかで粉末タイプの適否を判断します。タイプの分類は J-STD-005 にあり、実際の粒径範囲は使用するペーストのデータシートで確認します。
細かい粉末には代償があります。比表面積が大きく酸化しやすいため、保管、常温戻し、開封後の使用時間の管理が厳しくなります。最小開口に合うタイプを選べば十分で、ライン全体を細粉に切り替える必要はありません。
粉末タイプはメタルマスクメーカーではなく実装側の材料選定です。ただし開口の下限を決めるため、マスク審査時に確認します。
競合したときに先に変える項目
| 順序 | 対応 | 代償 |
|---|---|---|
| 1 | パッドとレジスト開口を見直し、理由なくパッドを縮めない | 設計変更、コスト最小 |
| 2 | マスクを薄くする、または段付きで領域分け | 大パッドのはんだ不足リスク / マスクコスト |
| 3 | 電鋳メタルマスクに変更し孔壁を平滑に | コストと納期が増加。サービスページでは 0.3 mm ピッチ・0201 向け |
| 4 | より細かい粉末タイプに変更 | 材料管理が厳しくなる |
開口案は切断前の技術審査で確定します。工法の違いは レーザーカットと電鋳メタルマスク を参照してください。
メタルマスク発注時の記載事項
- 最小ピッチ部品の部品番号、パッケージ、パッド寸法
- 希望する厚み、または面積比に基づく推奨を任せるかどうか
- 段付きマスク、電鋳マスクの可否
- 使用予定のペーストと粉末タイプ(データシート添付推奨)
- はんだ量の多い大パッド部品の位置
- ペースト層、ソルダーレジスト層、外形層(Gerber RS-274X / ODB++ / DXF)
SKPCB の実装能力の範囲
SKPCB の PCB 実装 の最小ピッチは BGA 0.2 mm、QFN/QFP 0.3 mm、最小部品は 01005 です。これらは個別の上限値で、自由に組み合わせられるわけではありません。参考表を外れる組み合わせは、お見積り 時にデータを添えて個別に審査します。
セルフチェック
- 既存記事との重複:面積比の定義、小開口の限界、段付きマスク、レーザー対電鋳はリンクのみ。本記事は三者の組み合わせと優先順位のみ。
- 同日:slot 1 リジッドフレキ工程、slot 2 内視鏡フレキと核心問題・カバーが異なる。
- キーワード:「ファインピッチ」「印刷」「粉末タイプ」を title、description、H1、本文、FAQ に配置、過剰な繰り返しなし。
- 事実:数値は公開メタルマスクページと CLAIM_REGISTER のみ。計算例は算術。粒径範囲、粒子数しきい値、歩留まり、納期、事例は記載なし。
- 内部リンク:
/ja/7 件、すべてout/ja/に存在。industries リンクなし。 - FAQ は本文と一致。
- REVIEW_REQUIRED:日本語ネイティブによる校閲を推奨(「メタルマスク」「スキージ」等の用語統一を含む)。
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FAQ
Q:0.4 mm ピッチ QFP のメタルマスク厚は?
A:参考表では 0.10–0.12 mm、開口 0.19–0.20 mm です。同じ基板に 0.5 mm ピッチ BGA がある場合は、BGA でも面積比を確認します。
Q:0.5 mm ピッチ BGA に 0.10 mm マスクは使えますか?
A:⌀0.26 mm 開口では面積比 0.65 となり、0.66 の目安を下回ります。参考表の推奨は 0.08–0.09 mm です。
Q:ファインピッチには必ず Type 5 ペーストが必要ですか?
A:必要とは限りません。最小開口に並ぶ粒子数をデータシートで確認し、現在のタイプで足りれば変更は不要です。
Q:粉末タイプはメタルマスクメーカーが決めますか?
A:粉末タイプは実装側の材料選定です。マスク審査では開口下限を確認するためにその情報が必要です。
Q:電鋳メタルマスクを検討すべきなのは?
A:サービスページでは 0.3 mm ピッチ、0201 部品向けとしています。0.4 mm ピッチ以上なら、レーザーカットに電解研磨やナノコーティングを加えれば通常は十分です。

