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狭ピッチ印刷:はんだ粉タイプ・メタルマスク厚み・開口加工をまとめて決める

設計ガイド2026-10-24SKPCB技術チーム
狭ピッチ印刷:はんだ粉タイプ・メタルマスク厚み・開口加工をまとめて決める

狭ピッチ印刷で不具合が出ると、現場ではまず「はんだ粉を一段細かく」「マスクを一段薄く」となりがちです。どちらも狭ピッチのパッドは改善できますが、同じ基板の別のパッドを悪化させることがあります。3つのパラメータは同じ制約に従っているからです。基板上で最も小さい開口です。

面積比の計算や小開口で抜けなくなる理由は、開口面積比とはんだ抜け と 小開口印刷の限界 で扱っています。本記事は1点だけに答えます。3つをどの順で決めるか、1つ変えると問題がどこへ移るか。

各パラメータが決めるもの

パラメータ直接決めるもの最小開口への制約大パッドへの影響
マスク厚み印刷高さ、面積比の分母厚いほど面積比が下がる薄いほどはんだ量が減る
はんだ粉タイプ開口幅に並ぶ粒子数粗いほど充填がばらつくほぼなし
開口加工壁面粗さ、テーパ、抜け壁面が悪いと同じ面積比でも抜けにくい小さい

要点は最後の列です。マスク厚みは基板全体に効き、粉タイプと開口加工は主に小開口に効きます。 厚みを変えるたびに大パッドを確認し直す必要があります。

決める順序:最小開口から始める

手順1:最小ピッチではなく最小開口を押さえる。

印刷の難しさは開口サイズで決まり、開口の上限はパッドとソルダーレジスト開口で決まります。同じ0.4 mmピッチでもパッドが違えば別の問題です。ペースト層で最も面積の小さい開口クラスを探し、部品、パッド寸法、レジスト定義を記録します。

手順2:面積比からマスク厚みの上限を決める。

SKPCBのメタルマスクサービスページに記載の厚みは 0.08 / 0.10 / 0.12 / 0.15 / 0.20 mm の5段階で、連続的には選べません。最小開口から逆算し、面積比が経験値0.66以上を保てる最も厚い段が上限です。0.66は経験的な下限であり、合否基準ではありません。

手順3:開口幅から粉タイプを決める。

業界でよく使われる目安は、最小開口の幅方向に最大粒子が約5個並ぶことです。並ばないと同寸開口間のはんだ量のばらつきが大きくなり、SPIではまず平均値の低下ではなく標準偏差の増大として現れます。粒径範囲は使用するはんだペーストのデータシートに従います。

手順4:大パッドに戻って確認する。

狭ピッチでマスクが薄くなると、QFNの放熱パッド、コネクタ、パワー部品のパッドのはんだ量も下がります。ステップマスクなどの対策が要るかはここで決まります。

手順5:最後に開口加工を検討する。

面積比が限界に近いほど壁面状態の影響は大きくなります。電解研磨、ナノコーティング、電鋳は手順1〜4を決めた後に余裕を足す手段で、代わりにはなりません。

1つ変えると問題はどこへ移るか

変更狭ピッチパッド問題の移り先
マスクを一段薄く面積比が上がり抜けが改善大パッドのはんだ不足、放熱パッドのボイドリスク
粉を細かく充填ばらつきが減る酸化に敏感、常温戻しと開封後時間の管理が厳しく、印刷中の粘度変化が速い
開口を広げる面積比が上がる隣接間隔が狭まりブリッジ増加。パッドとレジスト開口で制限
ブリッジ対策で開口を縮小ブリッジ減少面積比低下、はんだ不足、オープン
電解研磨・コーティング同じ面積比で抜けが安定コストと納期が増える。面積比は変わらない

パターンは、厚みは影響範囲が最も広く、粉は運用管理のコスト、開口は隣接間隔のコストです。1回に1つだけ変え、SPIを見直します。

混載基板:狭ピッチと大パッドが同じマスク上にある場合

  • 大パッドの開口を広げる:レジスト開口が許す範囲で。最も安価だが余裕は小さい。
  • ステップマスク:大パッド部を局所的に厚く、または狭ピッチ部を局所的に薄くする。段差の縁にはスキージの移行距離が必要です。ステップメタルマスクの多段開口設計 を参照。
  • 放熱パッドの分割開口:大開口を格子状に分け、はんだ量とボイドを抑え、スキージによるかき取りを防ぐ。

いずれも、マスク厚みが最小開口から決まっていることが前提です。順序を逆にすると、2種類のパッドの間で調整を往復することになります。

開口加工の合わせ方

レーザー加工、電解研磨、ナノコーティング、電鋳はいずれも壁面の問題を扱います。比較は レーザー加工と電鋳メタルマスク と 開口壁面の研磨とナノコーティング にあります。

判断は1つです。最小開口の面積比が0.66に近いほど壁面加工の価値は高く、面積比に余裕のある基板では効果が小さい。 先に面積比を計算してから、壁面に費用をかけるか決めます。

初品承認で固定する組み合わせ

  • 最小開口クラス:部品、パッド寸法、レジスト定義、開口寸法
  • マスク厚みの段、ステップ部の位置と厚み
  • はんだペースト品番と粉タイプ
  • 開口加工:加工方法、研磨の有無、コーティングの有無
  • SPI判定:基板全体で1つの数値ではなく、開口クラスごとの平均とばらつき
  • 既知の移行リスク:はんだ量下限付近にある大パッド

どれか1つが欠けると、ライン変更やペーストロット変更の後に、どのパラメータが動いたか判断できません。

メタルマスクメーカーと実装工場に渡す情報

  • ペースト層ガーバー(RS-274X)とレジスト層・外形層、またはODB++。サービスページ記載の入力形式です
  • 最小ピッチ部品とそのパッド定義
  • はんだペースト品番と粉タイプ。未定なら「工場推奨を希望」と明記
  • ステップマスク、電解研磨、ナノコーティングの可否
  • 印刷機の枠サイズ

SKPCBで確認済みの実装最小ピッチは、BGA 0.2 mm、QFN/QFP 0.3 mmです。厚み、枠サイズ、仕様は SMTメタルマスク に掲載しており、データはそのまま 見積依頼 へ送れます。

まとめ

3つのパラメータは決まった順序で決めます。最小開口 → マスク厚み上限 → 粉タイプ → 大パッドの再確認 → 開口加工。マスク厚みは基板全体に効くため、それより先にほかを動かすと問題が移るだけで解決しません。初品承認では6項目をまとめて固定します。

セルフチェック

  • 既存記事との重複:面積比、小開口の抜け、ステップマスク、壁面処理はそれぞれ既存記事あり。本記事は決める順序と問題の移行のみを扱い、それらへ内部リンク。
  • 同日:slot 1(両面板から4層へ)、slot 2(メタルベース構造)とは中心課題が異なり、カバー画像も別。
  • 事実:数値はサービスページとPCBA-PITCHのみ。粒径、価格、納期、歩留まり、事例なし。
  • リンク:/ja/ 内部リンク7件、すべて out/ja/ に存在。industries ページなし。
  • FAQは本文と一致。
  • REVIEW_REQUIRED:ネイティブ校閲を推奨。

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FAQ

Q:狭ピッチではんだ不足。先に粉を細かくするか、マスクを薄くするか?

A:まず最小開口の面積比を計算します。経験値0.66を下回るなら原因は厚みか開口です。面積比は足りているのに同寸開口がばらつくなら、細かい粉を検討します。

Q:マスクを一段薄くする代償は?

A:厚みは基板全体に効きます。大パッド、放熱パッド、コネクタのはんだ量も下がり、開口拡大やステップマスクで補う必要があります。

Q:粉は細かいほど良いのか?

A:いいえ。細かい粉は酸化しやすく、常温戻し、開封後時間、印刷中の管理が難しくなります。ペーストのデータシートに沿って、必要十分なものを選びます。

Q:電解研磨やナノコーティングで薄いマスクの代わりになるか?

A:なりません。壁面の抜けは改善しますが、面積比は変わりません。経験値を大きく下回る場合は補えません。

Q:初品承認で何を固定するか?

A:最小開口クラス、厚みとステップ部、ペースト品番と粉タイプ、開口加工、開口クラスごとのSPI判定、大パッドの既知リスクです。

対応するステンシルとSMT実装が必要ですか?

基板に合わせたレーザーステンシルの供給に加え、部品調達を含むSMT実装も承ります。GerberとBOMをお送りいただければ一括で見積いたします。