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多層基板の積層位置合わせ管理:内層ズレの発生源と図面での抑え方

設計ガイド2026-09-15SKPCB技術チーム
多層基板の積層位置合わせ管理:内層ズレの発生源と図面での抑え方

内層ズレは単一の現象ではなく、合計値である

マイクロセクションで内層のランドが片側だけ細くなっているのを見ると、まず「プレスの位置合わせが甘い」と考えがちです。しかし積層プレスは誤差連鎖の最後の一区間にすぎません。内層露光から穴あけまでの間に、8 層基板はエッチング、黒化処理、レイアップ、加熱加圧、冷却、X 線によるターゲット検出、穴あけを通過します。その各工程が、内層パターンの実際の位置と最終的な穴位置との間にわずかなズレを足していきます。マイクロセクションに現れるのはその合計であって、特定の装置の測定値ではありません。

設計側にとっての意味は単純です。内層ズレは「もっと正確に合わせてほしい」と依頼して解決するものではなく、クリアランスで吸収するしかありません。 クリアランスは図面に書かれるので、これは設計判断です。クリアランスが足りなければ、完璧に位置合わせされたプレスでもブレイクアウトは出ます。したがって本稿ではプレス条件は扱いません(それは製造側の領域であり、ここで数値を出すべきものでもありません)。扱うのは二点だけです。どの工程がズレを生むのか、そして図面でどれだけの余裕を与えられるのか。

判定基準そのものも感覚ではなく規格に由来します。最小ランド幅、内層の穴-銅間の最小距離、ブレイクアウトの許容可否は IPC-6012 の Class 2 / Class 3 で区分され、外観系は IPC-A-600 で判定されます。クラスは設計段階で図面に明記してください。 Class 2 と Class 3 が許容するランド状態はまったく異なり、未記載ならば製造側は自社の標準クラスで出荷判定するしかなく、対立はマイクロセクション報告が出てから表面化します。SKPCB の多層基板の製造範囲と受入の考え方は多層基板ページと品質ページで確認できます。

誤差連鎖:実際に寄与する四つの工程

第一段、材料の寸法変化。 内層コアはエッチングとベーク後に寸法が変わり、しかも均一ではありません。ガラス布は縦糸方向と横糸方向で剛性が異なるため、同一パネル上で X と Y が同じだけ動くことはまれです。層数が増え、内層の銅分布が非対称になるほど、この差は顕著になります。製造側はフィルムのスケーリングで事前補正しますが、スケーリングはロット統計から導かれるもので、すべてのパネルでちょうどゼロに落ちることはありません。本稿にスケーリング係数は記載しません。 その値は材料ロット、構成、銅分布で動く工程データであり、記事に載せられる定数ではありません。

第二段、レイアップとプレス中の移動。 レイアップはコア、プリプレグ、銅箔を順に積み重ねてから加圧する工程です。加熱加圧で樹脂が流動し、流動している間は層同士が相対的に動く余地が生まれます。リベット、ピン、フュージョンといった固定手段はこの移動を拘束するために存在します。拘束は消去ではありません。

第三段、X 線によるターゲット検出と穴あけ基準の確立。 積層後のパネルは不透明で、ドリルは内層を見られません。そこで X 線で埋め込まれたターゲットマークを検出し、それを基準に基準穴を空け、以降の穴あけはその穴を参照します。この工程は「内層が実際にどこにあるか」を「ドリルがどこへ行くか」に翻訳する唯一の経路であり、設計側が影響を与えられる唯一の場所でもあります。ターゲットマークが十分にあるか、どこに置くか、周囲の銅が干渉しないかは、内層設計が決めます。

第四段、穴あけ自体の位置公差。 基準が正しくても、穴あけには固有の位置偏差があります。SKPCB の公差ページに掲載されている値は穴位置 ±0.003"(約 0.076 mm)です。これは基準に対する穴あけの公差として読んでください。前三段のズレに加算されるもので、置き換えるものではありません。

この四つが合わさることで、「各工程は公差内と報告されているのにランド幅が足りない」というよくある結果が説明できます。設計側の対応は各段を問い詰めることではなく、合計値の存在を認めて、効く場所に余裕を追加することです。

二つの公差の実際の使い方

設計判断の大半を担うのは二つの数値です。

一つ目:内層の穴-銅間 = 穴径 + 0.020"(約 0.51 mm)。 これは覚えておくべき一条です。ある穴と接続してはならない内層の銅——隣接する配線、ベタ面、別ネットのパッド——は、穴径の両側にそれぞれ約 0.010" の隙間が残る位置まで穴中心から離れている必要があるという意味です。この隙間はドリルのためではなく、誤差連鎖全体のためにあります。内層銅を 5 mil 近づければ、ドリルは自身の ±0.003" に十分収まったまま、触れてはならない銅を削り込むことがあります。

逆向きにも同じ論理が働きます。接続すべき内層パッドのランド幅も同じ考え方で確保してください。 穴径よりわずかに大きいだけの内層パッドは、連鎖が合算された時点でブレイクアウトします。多層基板の内層パッドは外層より余裕を持たせるのが通常で、理由はここにあります。外層は積層後に露光されるため穴との連鎖が短く、内層は積層前に露光されるため連鎖全体を負担します。

二つ目:穴位置 ±0.003"。 これは誤差配分の一項目として使い、全体量とは見なさないことです。ランド幅を検討する際は、この項目と内層のクリアランス要件を併せて考えてください。

なおこの二つ、および板厚 ±10% または ±0.005"(大きい方)、線幅 ±20%、銅-銅間隔 ±20%、外形 ±0.005"、ソルダーマスク位置合わせ ±0.003" はいずれも公差ページの標準値です。これより厳しい要求はアドバンス領域であり、項目ごとに技術評価での確認が必要です。設計段階で取得できる前提にしないでください。

図面に何を書けば、内層ズレが製造前に止まるか

本節が実行部分です。以下はすべて積層図または製造指示に書く項目で、本文の注記ではありません。

  1. 明確な基準系。 主基準と副基準を示し、穴位置、外形、内層パターンが同一の基準系を参照するようにします。基準が別々の特徴に分散していると、製造側は優先順位を推測するしかありません。
  2. 内層ターゲットマークの位置と数。 有効エリア外の捨て板部に配置し、四隅を可能な限り対称にし、大きなベタ面や密集パターンに押し出されないようにします。ターゲットが切り落とされたり隠れたりすると、X 線はより少ない点で当てはめることになり、位置合わせ精度が直接落ちます。
  3. 層ごとの銅厚と絶縁層記号を含む完全な積層表。 各層の銅厚と絶縁材を明記し、対称性の要求も示します。非対称な銅分布は寸法変化の差を拡大するため、製造側は事前に知る必要があります。
  4. 受入クラスを図面に記載。 IPC-6012 Class 2 か Class 3 か、内層ランド幅の判定根拠を明記します。
  5. どの穴が重要穴か。 内層接続がズレに特に厳しい穴(高層数領域の密集ビアなど)があれば指摘し、面付けと補正で区別して扱えるようにします。
  6. 標準値を超える要求は個別に列挙。 40 層超(64 層までは高層数・HDI 領域)、機械穴 0.2 mm 未満、レーザー穴 0.1 mm 未満、アスペクト比 10:1 超、インピーダンス ±5% は、いずれも「技術評価での確認が必要」と書きます。能力ページを参照してください。

製造側は位置合わせが本当に管理されたことをどう示すか

設計側が余裕を残したら、製造側は証拠を出します。確認できる手段は三種類です。マイクロセクション——重要穴を切断し、内層のランド幅と穴-銅間距離を実測する。内層ズレの唯一の直接証拠です。積層後の位置測定——X 線でターゲットマークと基準穴の関係を再確認する。完成品の外観と穴壁の検査——IPC-A-600 で外観系の欠陥を判定する。判定の基準は依然として図面に明記されたクラスです。

材料選定もこの連鎖の安定性に影響します。基材ごとの寸法安定性、プリプレグの樹脂量と流動性はいずれも寸法変化と層間移動に作用するため、使用可能な系は材料ページで確認してください。厚銅と多層を組み合わせる場合は、銅分布が寸法変化に与える影響も追加で考慮が必要です(厚銅基板ページ)。図面が固まった段階で製造可能性を先に見てほしい場合は、見積り・技術評価の窓口からお送りください。

セルフチェック

  • [x] 位置合わせと基準系のみを回答。積層の並べ方(slot 1)や銅厚別の設計ルール表(slot 2)は含まない
  • [x] 内部リンク 7 本、すべて /ja/ でビルド出力が存在(28/28 確認済み)、/industries/* なし
  • [x] スケーリング係数、プレス条件、ズレのミクロン値、歩留まり、納期、顧客事例の捏造なし
  • [x] 規格は名称のみ引用。標準値を超える値はすべて技術評価要と明記
  • [x] キーワードの詰め込みなし。日本語検索表現(多層基板、位置合わせ、積層ズレ)を自然に配置
  • [x] FAQ 五問すべて本文に根拠あり
  • [x] REVIEW_REQUIRED をセクション冒頭に明示、ネイティブ校閲を要求

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FAQ

Q:受入クラスを上げれば内層ズレは解決しますか。

しません。受入クラスは何を合格とするかを決めるもので、誤差連鎖そのものを変えません。Class 3 はより多くの基板を落としますが、図面上のクリアランスがもともと足りなければ、結果は歩留まりの低下であって内層ズレの消滅ではありません。余裕はまず設計に存在していなければなりません。

Q:内層パッドは外層よりどれだけ大きくすべきですか。

固定値は示しません。層数、板厚、穴径、構成に依存するためです。使える方法は「内層の穴-銅間 = 穴径 + 0.020"」から自社の最小許容ランド幅を逆算し、技術評価で確認することです。

Q:層数が多いほど内層ズレは大きくなりますか。

層数が増えると寸法変化の差とレイアップ工程での累積機会が増えるため、高層数基板では内層の余裕をより保守的に取る必要があります。SKPCB は標準量産で 40 層、HDI と高層数構成で 64 層までを扱い、この領域は技術評価での確認が必要です。

Q:X 線での位置検出があれば内層ズレはなくなりますか。

なくなりません。X 線は内層の実際の位置を読み取って穴あけ基準を作るもので、偏差を測定・補正できるようにしますが、積層で既に起きた層間移動が測定によって戻ることはありません。

Q:設計段階で最初に確定すべきことは何ですか。

基準系と内層ターゲットマークです。この二つが、製造側が内層の位置を正確に把握できるかを決めます。これらが不明確なら、以降のすべての余裕計算は推測の上に成り立ちます。

この積層構成とHDI工程を確認しませんか?

層数・ブラインド/ベリードビア・インピーダンス制御は歩留まりとコストを大きく左右します。積層図をお送りいただければDFM所見と最適化案をご返信します。