リジッドフレキ基板の製造工程:各工程に必要な設計データ

設計ガイド2026-10-30SKPCB技術チーム
リジッドフレキ基板の製造工程:各工程に必要な設計データ

リジッドフレキ基板の完成品は1枚の基板ですが、製造上は2つの材料系が1回のプレスで合わさります。フレキ部はポリイミド(PI)とカバーレイ、リジッド部は FR-4 とプリプレグです。通常の多層板の工程をすべて通り、さらにフレキ部のためだけの工程が加わります。

リジッドフレキが必要かどうかは フレキとリジッドフレキの構成の境界、層構成の材料選定は リジッドフレキの層構成と材料選定 を参照してください。本記事は工程の順序だけを扱います。

工程一覧

#工程目的設計側の入力不具合が表れる場所
1フレキコア内層パターンPI 銅張積層板にフレキ層の回路を形成フレキ層 Gerber、屈曲部の表示内層 AOI、最終電気検査
2カバーレイ開口と貼り合わせフレキ部の回路を保護カバーレイ開口層(独立データ)プレス後外観、パッドの銅露出
3リジッド層パターンと事前開口フレキ部上のリジッドコアをルーター加工・深さ加工リジッド/フレキ境界線、フレキ部外形キャップ除去がきれいにできるか
4ノーフロープリプレグ開口リジッド層とフレキコアを接着、フレキ部には接着剤なし同じ境界線樹脂はみ出し、フレキ部の硬化
5異種材料一括プレスフレキコアとリジッド層を1枚に積層完全な層構成表層間剥離、位置ずれ
6穴あけとデスミア穴壁が PI・接着層・FR-4 を貫通ドリルデータ、穴属性穴壁品質、めっき密着
7めっきと外層パターン穴の導通化、外層回路外層 Gerber、銅厚穴内銅厚、線幅
8ソルダーレジスト、表面処理、シルクリジッド部のみに施工レジスト層、表面処理指定境界部のレジスト端
9キャップ除去、外形、電気検査フレキ部上のリジッド材を除去し外形加工、全数電気検査外形層、テストネットリスト最終検査、IPC-6013 受入

工程 2、3、4、9 は通常の多層板にはありません。工程 6 は通常板にもありますが、穴壁の材料が異なります。

フレキコア:最初に作り、最初に確定する

フレキ層の回路はフレキコア上に形成し、プレス前に検査します。プレス後は内部に埋まるため、パターン不良は電気検査でしか見つからず、修理もできません。そのため内層 AOI が出荷判定の関門になります。内層 AOI の一方向リリース を参照してください。

設計側は、独立したフレキ層 Gerber と明確な屈曲部の表示を提供します。屈曲部の配線ルールは リジッドフレキ基板設計ガイド にあります。

カバーレイ:独立したデータ層

フレキ部は液状ソルダーレジストではなく、カバーレイ(PI フィルム+接着剤)で保護します。カバーレイはまずパッド位置で開口し、位置合わせしてフレキコアに貼り合わせます。

リジッド層の開口とノーフロープリプレグ:境界線がすべてを決める

フレキ部の上には、最初はリジッド材が載っています。最後にこれを取り除くため、プレス前に2つの処理を行います。

  • リジッドコアの事前開口:フレキ部の位置でリジッドコアをルーター加工または深さ加工し、プレス後に境界線に沿って除去します。
  • ノーフロー(ローフロー)プリプレグの開口:接着層をフレキ部の位置であらかじめ切り欠き、プレス時に樹脂がフレキ部へ流れ込まないようにします。通常のプリプレグは流動性が高く、フレキ部に流れ込むとその部分が硬くなり、屈曲時に割れることがあります。

どちらも同じデータ、つまり リジッド/フレキ境界線 とフレキ部の外形を使います。境界線が不明確だと、どちらの工程も正確にできません。メカ層に境界線を描き、層構成表で各層がフレキ部で残るか除去されるかを明記してください。遷移部の設計は リジッドフレキ遷移部の製造 を参照してください。

異種材料一括プレス:2つの材料を1回で成形

フレキコア、開口済みの接着層、リジッド層を重ねて1回でプレスします。この工程で、それまでのデータ誤差がすべて固定されます。

  • 位置合わせ:フレキコアとリジッド層のパターンを合わせる必要があります。PI と FR-4 は寸法安定性が異なり、層数が多いほど、メーカーが実測した伸縮を補正できるかどうかに位置合わせが左右されます。一般的な方法は 多層板プレスの位置合わせ管理 を参照してください。
  • 層間剥離のリスク:材料の吸湿、接着剤の被覆不足、樹脂はみ出しは、プレス後やリフロー時に層間剥離として表れます。

層構成表には総板厚だけでなく、各層の材料種類(PI 積層板、カバーレイ、接着層、FR-4 コア、プリプレグ)と銅厚を記載してください。SKPCB が公開しているリジッドフレキの範囲は、リジッド層 2–20 層、フレキ層 1–8 層、板厚 0.3–4.0 mm、基材 FR-4+PI です。リジッドフレックス基板の製品ページ を参照してください。

穴あけとデスミア:穴壁の材料は1種類ではない

リジッド部のビアは FR-4、接着層、PI を貫通します。各材料はドリルの発熱、切りくず排出、デスミアへの反応が異なり、穴壁の清浄度がめっきの密着を左右します。ここでの問題は、熱ストレス試験やリフロー後のバレルクラックとして表れることが多いです。

設計側にできること:ビアは境界線から離してリジッド部の内側に置き、ドリルデータで PTH と NPTH を分けます。

めっき、外層、表面処理:リジッド部のみ

穴のめっきと外層パターンは通常の多層板と同じです。ソルダーレジスト、表面処理、シルクはリジッド部のみに施工し、フレキ部はカバーレイで保護します。境界部でレジスト端がカバーレイとどう重なるかを図面に明記しないと、銅露出やレジストのフレキ部への乗り上げが起こります。

キャップ除去、外形、検査:不具合が最後に表れる場所

外形加工の際、境界線に沿ってフレキ部上のリジッド材を除去(キャップ除去)し、その後外形をルーター加工します。工程 3、4 にずれがあると、ここで除去残り、フレキ表面の傷、境界部の樹脂はみ出しとして表れます。

最後に電気検査を行います。SKPCB は全注文を 100% 電気検査(フライングプローブまたは治具)しています。フライングプローブと治具検査の比較 を参照してください。リジッドフレキ基板は IPC-6013 Class 2 / Class 3 で受入判定し、全工程パラメータは リジッドフレキ能力表 にあります。

出図前に確定すべきデータ

  1. フレキ層とリジッド層を分けた Gerber(層名は層構成表と一致)。
  2. カバーレイ開口層(独立データ)。
  3. メカ層上のリジッド/フレキ境界線とフレキ部外形。
  4. 層構成表:各層の材料種類と銅厚、およびフレキ部で残すか除去するか。
  5. 屈曲部の位置と屈曲の種類(静的/動的)。
  6. PTH/NPTH を分け、穴を境界線から離したドリルデータ。
  7. 境界部でのレジストとカバーレイの重なり指定。
  8. 受入等級:IPC-6013 Class 2 または Class 3。

データが揃えば、そのまま 見積依頼 ができます。エンジニアリングが EQ で層構成と開口を確認して返信します。

まとめ

リジッドフレキ製造で追加される工程は、ほぼすべて1本の線、つまりリジッド/フレキ境界線に沿っています。フレキコアを最初に作って確定し、カバーレイ、リジッド層の開口、ノーフロープリプレグはすべてこの境界線に沿って開け、最後のキャップ除去も同じ線に沿って行います。設計データでこの線と各層の残す/除去するを明確にすれば、後工程はそれに従って進められます。

自己チェック

  • 既存記事との重複:設計ガイド、フレキ/リジッドフレキの境界、遷移部、層構成材料、カバーレイ材料、屈曲部配線の記事は既存。本記事は工程順序、各工程の入力、不具合の表れる場所のみを扱い、他記事へはリンクで誘導。
  • 同日 PCB168:brief 未作成。本記事は製造工程の技術記事であり、RFQ や購買チェックリストではない。
  • キーワード:「リジッドフレキ基板」「製造工程」を title、description、H1、本文に自然に配置、詰め込みなし。
  • 事実:数値は公開ページと CLAIM_REGISTER のみ。プレス条件、納期、歩留まり、顧客事例は記載なし。
  • 内部リンク:/ja/ リンク 11 件、すべて out/ja/ で存在確認済み。industries リンクなし。
  • FAQ と本文の整合:6 問すべて本文の節に対応。
  • REVIEW_REQUIRED:日本語ネイティブによる校閲を推奨。

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FAQ

Q:リジッドフレキは通常の多層板と比べてどの工程が増えますか?

A:主にフレキコアへのカバーレイ貼り合わせ、リジッド層の事前開口、ノーフロープリプレグの開口、最後のキャップ除去です。穴あけ・デスミアは通常板にもありますが、リジッドフレキでは穴壁が PI、接着層、FR-4 を貫通します。

Q:なぜノーフロープリプレグが必要ですか?

A:通常のプリプレグはプレス時の樹脂流動が大きく、フレキ部に流れ込んでその部分を硬くしたり、屈曲時に割れを起こしたりします。ノーフローまたはローフローの接着層は樹脂をリジッド部に留めます。

Q:レジスト層だけで、カバーレイ層を出さなくてもよいですか?

A:見積は可能ですが、メーカーがカバーレイ開口を導出し、EQ で確認を求めます。独立したカバーレイ層を出せば確認が1回減ります。

Q:ビアを境界線の近くに置けますか?

A:推奨しません。境界部は応力が集中し、穴壁も複数の材料をまたぐため、ビアはリジッド部の内側に置いてください。

Q:SKPCB のリジッドフレキは最大何層ですか?

A:公開範囲はリジッド層 2–20 層、フレキ層 1–8 層、板厚 0.3–4.0 mm です。

Q:受入規格は何ですか?

A:IPC-6013 Class 2 または Class 3 で、リジッド基板の IPC-6012 とは別の規格です。全注文を 100% 電気検査します。

フレキ/リジッドフレックスの試作をご検討ですか?

曲げ半径・カバーレイ・補強板の配置が信頼性を左右します。曲げ回数と実装方法をお知らせいただければ、構成案と価格をご提示します。