高周波基板のソルダーレジストと表面処理:RF配線への影響

設計ガイド2026-10-29SKPCB技術チーム
高周波基板のソルダーレジストと表面処理:RF配線への影響

高周波基板の層構成、基材、銅箔が決まった後も、外層の2つの工程がRF配線に直接作用します。ソルダーレジストと表面処理です。マイクロストリップは半分が誘電体、半分が空気の中にあるため、線の上に何が載り、導体表面に何がめっきされているかが、インピーダンスと損失に入ってきます。一般基板でははんだ付け性と外観の問題ですが、高周波基板では電気的パラメータになります。

基材の選び方は 高周波基板の材料選定、銅箔粗さは 銅箔粗さと挿入損失 を参照してください。本記事は外層の被覆と表面処理のみを扱います。

外層の3つの状態

外層の状態変わる量製造上のばらつき要因図面に書くべき事項
レジストで覆う線の上に誘電体が加わり、実効誘電率が上がり、インピーダンスが下がり、誘電損失が増える線の上面と側面でレジスト厚が異なる;ロット間でばらつく覆うか否か;シミュレーションにレジストを含むか
レジスト開口線の上は空気で、シミュレーション上の理想に近い開口端のレジストと銅の位置ずれ;露出銅に表面処理が必要開口範囲と端部クリアランス
開口+表面処理高周波電流が集中する導体最外層が別の金属になるめっき厚と均一性表面処理の種類;エリア分けの有無

レジスト被覆:管理されない誘電体が一層増える

ソルダーレジストはRF材料ではありません。誘電率と誘電正接は通常RF周波数で規定されておらず、塗布厚にも基材のような公差等級がありません。マイクロストリップ上では厚さが不均一な層になり、線の上面は薄く、線間の低い部分は厚くなります。

その結果、インピーダンスは裸線のシミュレーション値より低く、損失は高くなり、ずれ量はロットごとの塗布厚で変動します。シミュレーションでレジストをモデル化し、テストクーポンも同じく覆っていれば制御は可能です。裸線でシミュレーションし、全面をレジストで覆うと、受入検査で差が現れます。

開口:端部クリアランスと銅の保護は別の問題

開口したRF線の上は空気で、モデルに最も近くなります。製造側では2点の対応が必要です。

  1. 開口端:レジストと銅のパターンには位置ずれがあり、クリアランスがないとレジスト端が配線端にかかります。「RF線はレジストなし」と注記するだけでなく、レジストデータで開口範囲を示してください。
  2. 銅の保護:開口した銅は表面処理がないと酸化します。表面処理がそのままRF導体の外表面になります。

表面処理:導体表面が別の金属になる

周波数が高いほど、電流は導体表面の薄い層に集中します。表面処理はまさにその層にあるため、一般のパッドより開口RF線への影響が大きくなります。

  • ENIG(無電解ニッケル金):ニッケルは銅より導電性が低く、強磁性体です。ニッケル層を流れる電流で損失が増え、高周波ほど顕著です。管理は ENIGニッケル金厚とブラックパッド対策 を参照。
  • 無電解銀:導電性がよく、導体損失への影響は小さい。ただし硫化変色しやすく、梱包・保管・実装期限の管理が重要です。
  • OSP:有機皮膜で銅そのものは変わらず、損失への影響は最小。はんだ付け可能な保管期間が短く、リフロー回数に制限があります。
  • 無電解錫/HASL:HASLは平坦性が不足し、微細なRF構造には不向き。無電解錫は保管期間に注意。
  • 硬質金:接点や挿抜面用で、通常はRF配線の全面処理には使いません。

一般的な比較は PCB表面処理の比較 を参照。SKPCBはHASL、ENIG、OSP、無電解銀/錫、硬質金に対応します。1枚の基板で2種類の表面処理(例:RF部はOSP、パッド部はENIG)を行う場合は工程が増えるため、見積段階で技術審査が必要です。

インピーダンスクーポンはRF線と同じ状態に

テストクーポンの外層状態は実際のRF線と一致させます。RF線が開口ならクーポンも開口、レジストで覆うならクーポンも覆い、表面処理も同じにします。そうでなければクーポンの合格は配線の合格を意味しません。インピーダンステストクーポンの検証 を参照。SKPCBのインピーダンス公差は標準±10%、±5%は要相談(技術審査)です。インピーダンス制御基板 を参照。

図面チェックリスト

  1. レジストデータでRF開口を独立したエリアとして示し、端部クリアランスを指定する;
  2. シミュレーションにレジストを含むか、クーポンのレジスト状態を明記する;
  3. 表面処理の種類を指定し、エリア分けする場合はエリア層を提供する;
  4. インピーダンス目標、公差、クーポン位置、外層状態を1つの注記にまとめる;
  5. 代替表面処理の可能性があれば、可否と承認者を明記する。

まとめ

高周波基板のソルダーレジストと表面処理は外観上の選択肢ではなく、RF配線の一部です。被覆の有無が線上の誘電体を、表面処理が導体外表面の金属を決めます。両者とクーポン状態を図面に書くことで、完成基板でインピーダンスと損失を検証できます。材料と対応範囲は 高周波基板、図面の審査依頼は 見積ページ からどうぞ。

自己チェック

  • 既存記事:材料選定、銅箔粗さ、PTFE積層、穴あけ/プラズマ、ローンチ遷移、材料代替、工程管理は既出。本記事は外層レジスト/開口×表面処理×RF配線のみを扱い、関連記事は1行リンク。
  • 同日:slot 1 は4層構成、slot 3 はPTH/NPTH で重複なし。
  • キーワード:「高周波基板」「ソルダーレジスト」「表面処理」「RF配線」を自然に配置、詰め込みなし。
  • 事実:±10%/±5%(PCB-IMPEDANCE)とMAT-RFのみ。損失影響は定性的。dB、Dk/Df、厚み、価格、納期、歩留まり、事例なし。
  • 内部リンク:/ja/ リンク8件、すべて out/ja/ に存在。industries リンクなし。
  • FAQと本文の一致:6問すべて本文に対応。
  • 日本語ネイティブ校閲:未実施(REVIEW_REQUIRED)。

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FAQ

Q:RF配線にソルダーレジストを載せてはいけませんか?

A:いいえ。シミュレーションでレジストをモデル化し、クーポンも同じ状態であれば制御できます。ただしレジスト厚と誘電特性のばらつきが大きいため、損失や位相整合に敏感な線は通常開口します。

Q:開口した後、なぜ表面処理が必要ですか?

A:露出銅は酸化し、はんだ付け性と長期安定性を損ないます。表面処理で保護し、その層がRF導体の外表面になります。

Q:ENIGはなぜ高周波損失を増やすのですか?

A:高周波電流は導体表面に集中します。ENIGのニッケル層は銅より導電性が低く強磁性体のため、そこを流れる電流で損失が増えます。

Q:RF部とパッド部で別の表面処理にできますか?

A:選択的表面処理は可能ですが、工程と位置合わせ要件が増えます。見積時にエリア層を提出し、技術審査を受けてください。

Q:インピーダンスクーポンは開口すべきですか?

A:レジストと表面処理の両方でRF線と同じ外層状態にしてください。そうでなければ結果は配線を代表しません。

Q:SKPCBの高周波基板材料は?

A:Rogers 4350B/4003C/3003、Arlon 85N、Taconic RF-35です。高周波基板ページを参照してください。

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