4層基板の層割り当ては、信号・GND・電源・信号が定番です。ただ、メーカーはこの表を受け取った後、もう一つ決めることがあります。4層の銅をどの材料で積層するかです。代表的な方法は銅箔構成(フォイル構成)とコア構成の2つ。完成品の外観は同じでも、各絶縁層の出どころが違うため、厚み公差、インピーダンスの安定性、選べる銅厚も変わります。
層の割り当ては 4・6・8層の比較 を参照してください。本記事は構成だけを扱います。
2つの構成の比較
| 項目 | 銅箔構成 | コア構成 |
|---|---|---|
| 材料 | コア1枚(L2/L3)+両側プリプレグ+外層銅箔 | コア2枚(L1/L2、L3/L4)+中央プリプレグ |
| L1–L2、L3–L4 の絶縁層 | プリプレグ(プレス後の厚み) | コア(入荷時の厚み) |
| L2–L3 の絶縁層 | コア(入荷時の厚み) | プリプレグ(プレス後の厚み) |
| 外層銅の出どころ | 別途選定する銅箔 | コアの張り銅 |
| プレス前にパターン形成する層 | L2、L3 | L2、L3(各コアに1層) |
| プレス回数 | 1回 | 1回 |
| 使用頻度 | 4層の標準的な作り方 | 明確な理由がある場合に採用 |
銅箔構成:外層絶縁厚はプリプレグで決まる
銅箔構成では、L2/L3 を1枚のコアに形成し、両側にプリプレグ、その上に外層銅箔を重ねて1回でプレスします。
ポイントは、プレス後のプリプレグ厚が固定値ではないことです。樹脂が L2、L3 のパターン間に流れ込むため、内層の残銅率が低いほど樹脂が多く消費され、残る絶縁層は薄くなります。つまり L1–L2、L3–L4 の厚みは内層の銅分布に左右されます。
- L2 がベタ GND、L3 がまばらな信号層だと、上下で充填量が異なり、上下の外層絶縁厚に差が出ます。
- この厚みは外層マイクロストリップの基準距離そのものなので、L1・L4 のインピーダンスに直接表れます。
- 利点は、外層銅箔をコアの張り銅と無関係に選べることです。
コア構成:外層絶縁厚はコアで決まる
コア構成ではコアを2枚使います。L1/L2 を一方、L3/L4 をもう一方に形成し、中央のプリプレグで L2 と L3 を接着します。
- L1–L2、L3–L4 はコア材で、入荷時の厚みのまま樹脂充填の影響を受けません。外層マイクロストリップの基準距離がより安定します。
- ばらつきは L2–L3 に移ります。中央のプリプレグが L2・L3 両方のパターンを埋めるためです。ここは通常 GND–電源間で、信号インピーダンスへの影響は小さめです。
- 外層銅はコアの張り銅に限られ、銅厚の選択肢はコアの供給状況に縛られます。詳しくは コアとプリプレグの入手性制約 を参照してください。
インピーダンスへの影響:どの厚みが重要か
4層基板でインピーダンス管理が必要なのは、多くの場合外層のマイクロストリップで、基準距離は L1–L2 と L3–L4 です。
- 銅箔構成では、この厚みはプリプレグで、内層残銅率の影響を受けます。メーカーは銅分布からプレス後厚を見積もり、線幅を逆算します。
- コア構成では、この厚みはコアで、ばらつき要因は入荷公差だけです。
- どちらの構成でもインピーダンス管理は可能です。SKPCB の標準インピーダンス公差は ±10%、±5% はエンジニアリング審査が必要で、審査では構成の選択も確認します。インピーダンス公差クラス も参照してください。
対称性と反り
材料面では、どちらの構成も上下対称です。実際の反りリスクは銅分布から来ます。
- 銅箔構成では、L2 と L3 の残銅率差が大きいと樹脂充填が不均一になり、プレス後の絶縁厚と応力が非対称になります。
- コア構成でも、L1/L2 と L3/L4 の2枚のコアで銅分布差が大きければ同じ非対称が生じます。
- 対策は共通で、ダミー銅による残銅率のバランス調整です。多層基板の銅バランスと反り対策 を参照してください。
層構成表の書き方:構成を指定するか、意図を伝えるか
| 伝える内容 | 向いているケース | リスク |
|---|---|---|
| 仕上がり板厚、外層・内層銅厚、インピーダンス目標のみ | 大半の4層基板 | メーカーは標準の銅箔構成を選び、インピーダンスから絶縁厚を逆算 |
| 各絶縁層の目標厚+インピーダンス目標 | インピーダンス管理あり、特定の厚みでシミュレーション済み | 厚みとインピーダンスが両立しないと、優先順位を問う EQ が発生 |
| 構成(銅箔/コア)+コア厚の指定 | 外層絶縁厚を固定したい、または顧客側で特定構成を認定済み | 材料の選択肢が狭まり、入手性とコストに影響 |
推奨:明確な理由がなければ「意図」(板厚、銅厚、インピーダンス目標、基準プレーン層)を伝え、構成はメーカーに任せて返送される層構成図を承認します。構成を固定する場合は、種類と理由を層構成表に明記し、標準の銅箔構成に戻されないようにします。
出図前に確定すべき項目
- 仕上がり板厚と公差(SKPCB の板厚範囲は 0.2–6.0 mm)。厚みの積み上がりは 仕上がり板厚公差の管理 を参照
- 各層の銅厚(外層はベース銅か仕上がり銅かを明記)
- インピーダンス線の層、基準層、目標値と公差
- メーカーによる構成選択を許可するか。許可しない場合は構成と理由
- 内層銅のバランス調整済みか、ダミー銅追加を許可するか
- 層構成の承認フロー:メーカーの層構成図を承認後に生産開始
まとめ
4層基板で銅箔構成かコア構成かを選ぶことは、どの絶縁層を入荷材料で固定し、どれをプレスで決めるかを選ぶことです。外層マイクロストリップの安定性を優先するならコア構成、外層銅を自由に選ぶなら銅箔構成が標準です。多くの案件では意図を伝えてメーカーの層構成を承認すれば十分で、外層絶縁厚を動かせない場合に限り構成を指定します。能力は 多層基板の製品ページ で確認でき、層構成表は 見積もりページ から審査に出せます。
自己チェック
- 既存記事との重複:既存の多層記事は層割り当て、4/6/8層比較、4層対8層、コア/プリプレグ入手性、対称性、銅バランス、図面リリース、工程フローを扱う。本記事は4層の物理構成とそれが固定する項目のみを扱い、関連内容は一文+内部リンク。
- 同日 PCB168:brief 未作成。本記事は技術的な構成解説であり、RFQ や購買チェックリストではない。
- キーワード:「4層基板」「層構成」「銅箔構成」「コア構成」を title、description、H1、本文に自然に配置、詰め込みなし。
- 事実:数値は CLAIM_REGISTER のみ(0.2–6.0 mm、±10% / 審査付き ±5%)。絶縁厚公差は定性比較のみ。型番別厚み表、価格、納期、歩留まり、顧客事例なし。
- 内部リンク:
/ja/リンク 7 件、すべてout/ja/で存在確認済み。industries リンクなし。 - FAQ と本文の整合:6 問すべて本文の節に対応。
- REVIEW_REQUIRED:日本語ネイティブによる校閲を推奨。
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FAQ
Q:銅箔構成とコア構成は外観で見分けられますか?
A:見分けられません。外観、層数、板厚は同じで、違いは断面で各絶縁層がコアかプリプレグかという点だけです。
Q:どちらの構成が一般的ですか?
A:4層基板では銅箔構成が標準です。1枚のコアが L2/L3 を担い、外層は銅箔なので外層銅厚を自由に選べます。
Q:外層のインピーダンス要求が厳しい場合はどちらを選びますか?
A:コア構成です。外層絶縁厚がコアの入荷厚で、樹脂充填の影響を受けません。銅箔構成でも管理は可能で、メーカーは内層残銅率からプレス後厚を見積もります。
Q:層構成表に構成の種類は必ず書く必要がありますか?
A:必須ではありません。多くの案件は板厚、銅厚、インピーダンス目標、基準層を伝え、メーカーが層構成を返送して承認する流れで足ります。外層絶縁厚を固定する必要がある場合のみ指定します。
Q:SKPCB のインピーダンス公差は?
A:標準 ±10%、±5% はエンジニアリング審査が必要で、その際に構成と絶縁厚も確認します。
Q:どちらの構成でも内層の銅バランスは必要ですか?
A:必要です。反りのリスクは主に銅分布の非対称から生じ、構成の種類には関係しません。
